連想ホラー小説遊戯「流血学園1999」
第5章間奏



最初 暗黒工房まき駄文



ホチキス女は彼女の空間、図書室にいた。
薄暗い図書室は高校のものとしては不自然なまでに大きく混沌としていた。
入り口付近の比較的利用頻度の高い棚には新刊、雑誌など置かれていたが、手の届かない上段の棚、奥まったところにはなにやら黄変した古文書のようなものが多い。
目を凝らすと背表紙には到底日本語や英語とは思えない奇怪な文字がならんでいるのがみえる。

彼女はそんな文献には目もくれず貸し出しカウンターのすぐ横の返却棚のわきの白いハードカバーを手に取った。
「よいこのバインダー読本」
そして机の上には「季刊 バインド 春号」「妖魔封じ完全マニュアル」
「これからはじめる魔物狩り (歴史編)」などが散乱している。

「うーん」
彼女は右耳のピアスを小指で弄びながら考えていた。

いくらなんでもこれは異常過ぎる。
もちろん彼女はこの10年以上のバインダー経験の中で数々の魔と遭遇してきた。
そして封印あるいは消滅させてきたのだ。
しかし陸田をはじめとして仁総、我大ひとりをとっても強力すぎる。

陵潔学園に潜入してから2年。
それまでの戦いの中で苦戦したインドの人面虎さえも工業用ホッチキスの一撃で封印した。
やつはわたし以前に派遣された2人のバインダーを食い殺している。
トランシルヴァニアの吸血市長は町を制覇しようとしたが私のホチキス十字撃ちで消滅した。

私は決して弱くはない。
むしろバインダー界では若手のエリートといっていいだろう。
もちろん私より上のバインダーも知っている。

私がまだ修行中だったころの教官‥
コードネーム「ドラゴン」(ドラゴンというよりへんな侍という感じだったわ)
彼の刃物さばきには到底及ばない。
でも彼はすでに組織を離れてしまった。
上層部との折り合いがつかなかったという噂だ。

17年前の事件以降、強力なバインダー達は次々と組織からいなくなった。
その事件について私は詳しくは知らない。
語ることがタブー視されているようである。

最強のバインダー
コードネーム「OYG」
伝説となったその名前はしばし耳にする。
しかし書物にはその名はほとんど残されていない。
彼も17年前の事件で消えた。
わずかに残された記述は彼のわがままはおぞましく組織との折り合いがつかなくなったとのこと。
しかし、私は聞いたのです。
「ドラゴン」がふと漏らした言葉
「やつは子供を消せなかったあまちゃんよ。気持ちはわかるがな‥」


記憶の中で遊んでいる場合ではない。彼女は自分に言い聞かせた。
事態を少しでも改善しなければ‥
街での戦いの後、森において刃崎達と合流したところ陸田の本体は真子の体内に潜んでいるらしい。
真子は校長が呼んできた教師ではあるが完全に陸田派閥ではないと思う。
むしろ研究が自由にできる環境に引かれて協力していたようだ。
彼女の魔道科学が陸田にも必要だったのだろう。
そして必要がなくなった今‥。
久美の魂、仁総耕介、彼らをほっておくわけにはいかない。
例え助けることができなくとも魔性の玩具よりはましである。




森での奇怪な音の発信地にて丁度、刃崎たちと我大、仁総たちは合流した。






以降
NoName様御執筆


刃崎はあせっていた。久美の化身であるナイフを奪われ、真子もさらわれた。
まるで自分と関わってきた女性たちはすべて不幸にあうかのごとき焦燥感が彼を包んでいた。

以降
NoName様御執筆


そしてそれは17年前の”あの時”と状況がまるで同じなのを
其所にいる誰もが知る筈が無かった。。唯独りを除いては。。
バインダーの中に”ユダ”がいる……。

以降
NoName様御執筆



ユダは風呂場でユダっていた。
「ふふふ。面白いことになってきたな」
彼は校舎の屋上の貯水タンクを風呂桶にして優雅に成り行きを見ていたのだ。

以降
NoName様御執筆



一方、真子の肉体と久美の精神を手に入れた陸田は、意外にも神妙な面持ちでうなっていた。
「どうやってあそぼうかな。
もうすぐ1999年も終わっちゃうのに‥話を進めなきゃ」
そうゆうと彼は、ポケットから緑色の粉末をとりだした。
粉末である。濃ゆそうである。

以降
y.s.k様御執筆


薬で眠らされた真子の体には幾百もの電極が張り付けられ、
それらはリード線を介して怪しげな機器へと繋げられていた。
そして、機器の示す数値を読みとりながら
算盤(そろばん)をはじく陸田の姿があった。
「周波数、波形ともに理想的だ。だがいかんせん、
 波動そのものの大きさが全然足りん・・・」

緑色の濃ゆそうな粉末をエタノールに溶解させつつ、
陸田は実験テーブル上のの黒光りする結晶に目をやる。
「気付いたようだが、まだ動き出してはいないな。
 だが、これが成功すれば、向こうも動き出さずにはおれまい。
 『最後の黒魔法』・・・もうすぐ私のものに・・・」

黒い結晶がぴくりと動く。

以降
NoName様御執筆


黒い結晶の表面が流動的に動きだし
何かの模様を形成していった。。
それは、まぎれもない『真子』の顔だった、
真子の顔は苦悶の表情浮かべ、もがいているようにも見えた。
その動きにあわせるように、
妖し気な、機器の数値が激しく変化する

「くくく、『これが』必要だったのだ」

陸田が呟いたそのとき、後ろで声がした。


以降
コシヒカリ様御執筆


「あなたに『最後の黒魔法』を渡す訳にはいきませんな…。」
自分以外に誰も存在するはずのない部屋に響く声。流石の陸田も多少動揺した。
「だ、誰だ!?」
「フフ、別に名乗るほどの立派な名は持ち合わせてないのでね。OYGとでも名乗っておきましょうか…。」
陸田は『OYG』というフレーズをどこかで聞いたような気がしたが思い出すことはできなかった。
しかし、次の瞬間『OYG』の二の腕がきっちり陸田の首をロックしていた。
「あのとき、あなたを見逃したのは私の見当違いだったようですね…。」

以降
NoName様御執筆



「まっ!待ってくれ!」陸田の声が裏返る。
この時を待っていたぞ!陸田〜!
「グッ!」腕に一層の力がはいる。
「や、やめてくれ!」「みしみしみし・・・」
「ぐ、ぐるぢぃ、だずげで・・・」

以降
y.s.k 様御執筆



その時、機器のうちの一つが、景気のよいベルの音を発した。
陸田、にやりと笑う。
「くふふ、一足、おそ・・・かった・・ですなあ。
 さあ・・・再来の・・・とき・・
 これ・・のにく・・・っちきす・・・仁・・もう、おわり・・・げふぅ」
すでに、傍らの機会からのびる注射器の針は真子に達しており、
その先から例の『緑色の液体』がガンガン注入されていた。

それから30分・・・・
『OYG』は、しゃぶしゃぶ用にスライスされた肉片を向こうに、
予想外の事態に焦っていた。
「何なんだ此の部屋は!『鬼門』が16・・・17・・・いやもっとか。
 おまけに『鬼門封じ』封じまでしかけてやがる。かくなる上は・・・」
『OYG』の表情に迷いが浮かぶ。

既に真子の皮下では筋肉がおぞましい脈動をくりかえしていた。


*希望)『最後の黒魔法』は、過去の呪術者や妖術師の怨念の集合体で、
    一つの意識を持つ思念体、としたい。
    物の怪の類なので、呼ぶには『贄』と『移し身』が必要かと。


以降
NoName様御執筆


そのころぜんぜんまったく関係ないところで
八百屋のおっちゃんがぽつりとつぶやいた。

以降
NoName様御執筆


「緑の雨が止んだ‥」
おっちゃんはすでに意識がゾンビではなく普通の人間のそれに戻っていた。
ただ、胃のなかには、まだ彼の家族の肉が詰まっていた。

以降
かんとん様御執筆


二日酔いの気分だった。妙な場所で居眠りしていたようだ。
どうも口の中がベタベタする。生肉の匂いだ。
ユッケをしこたま食べ過ぎた時の感じだった。
「…うぇ、何か口直ししてぇなぁ…」
フラフラと立ち上がったが、どうも目がかすむ。
歩き出した途端、太い棒のようなものに躓いた。

「…んだよ、大根が落ちてるじゃねぇか…」

かがみこんで拾おうとして、今自分が躓いたものがはっきり見えた。
…はっきり見えはしたが、おっちゃんの脳はそれが何なのか
明確に認識することを拒んだ。

「…おい、何だよこりゃぁ…」

大根がサンダルを履いているわけがない。
本来、葉がついている部分は、大根というよりは割れたザクロだった。

「へっ、へへっ…」

おっちゃんの意識を白い闇が侵食していった。


管理人(暗黒工房まき)より注
この間奏は私が本来すべてどうにかすべきものだったかもしれませんが
能力不足のためとまってしまったので、仮設掲示板にて皆様に助けていただいて完成したものです。
まったくもって情けない管理人です。
この場を持って御執筆いただいたNoName様、y.s.k様、コシヒカリ様、かんとん様に深く感謝します。
まことにありがとうございます。