暗黒工房 連想ホラー小説遊戯「流血学園1999」第5章


巨大化した真子の体内に隠れた陸田を追って、メンバーたちは体内に潜入した。 刃崎は久美の魂を救うべく、京介は弟の恨みを晴らすべく、我大は自分自身の謎を解くべく

それぞれの思いが交差する中、謎は深まる

17年前の事件とは?
バインダーとは?
陸田の目指す最後の黒魔術とは?
裏切りのバインダーユダとは?


ついに完結編


八百屋のおっさん「うーん‥こ、ここは?!」
魔性の情景描写「白濁した意識の覚醒。やおやのおっさんが目覚めた場所は赤い粘膜に湿った場所だった。」
人体標本「ハイ。ココア、アルヨ」
妖異なる効果音「ゴボゴボ」
魔性の情景描写「人体標本が口移しでおっさんにココアをのませているとき、我大は巨大な奥歯の上で刃崎、仁総たちと何か話し合っていた。」
仁総 京介「やはり脳か心臓ですね。やつが、校長がいるとすれば‥」
魔性の情景描写「そう、ココア森永ではなくて、ここは濃縮された緑の液体を注入され巨大化した真子の口内であった。」
刃崎 死朗「そこに久美の魂もあるってわけだな!」
魔性の情景描写「石臼のような奥歯についた歯石をナイフで削りつついらだたしげに死朗は応じた」
人体標本「あー何ということだ」
魔性の情景描写「ココア色の液体を飲み干した、八百屋のおっさんは既に「白の闇」に侵食されていた。」
八百屋のおっさん「ウヘェ、腹へったぞぉ」
妖異なる効果音「ドドーン、ゴォーッ、ゴォーッ」
魔性の情景描写「いきなり我大らを襲う凄まじい地鳴りと暴風、それは真子の咳とゲップだった。」
偽間堂 真子「もう最高ー!」
ホッチキス女「ううう・・・・」
魔性の情景描写「ホッチキス女は声にならない叫びを上げた・・・三太、鮫たこ女、黒騎士・・・行く手を遮ろうと先回りした彼らは巨大化した真子の生唾とともに気管の奥深くへと飲み込まれていった・・・その先に待つのは強酸の消化液・・・。ホッチキス女は知っていた・・・今ごろ彼らがとろとろに分解され、もう二度と日の目を見ることが出来ないのだと言うことを・・・・。」
刃崎 死朗「畜生!!これじゃ前に進めねぇ!!」
魔性の情景描写「なんということであろう、爆発がおこった!放射能に注意!」
巨大化した間堂 真子「あ〜、なんかお腹が裂ける感じがするゥ」
魔性の情景描写「一瞬にして世界は消えた。核爆発であった。」
妖異なる効果音「パチン!!」
魔性の情景描写「核爆発のエネルギーは一瞬にして巨大化した真子の躯に吸収され、すべてが核爆発の前に戻った。」
裏切りのバインダーユダ「フフフ。すべて17年前と同じだな」
魔性の情景描写「そして真子の体内では刃崎達が漂う死臭のなか苦戦していた。」
刃崎 死朗「絶対殺すぞ!オラオラオラ!」
我大 剛「くっせーよ!!この女!!なんなんだあ〜吐きそうだ!」
妖異なる効果音「ゴポッゲロゲロゲロ ビちゃ」
エキストラ「コロッケはおいしいですよ。」
仁総 京介「そうか、その手があった。コロッケといえばおたふくソースですよ!」
人体標本「え!?生卵じゃないんですか、先生!!」
安達 久美の魂「違うわよ、ブルド○クソースでしょう!」
仁総 京介「この際ソースならなんでも構わない。ソースと一人分の血液をすべて混ぜることによって30分くらいは胃液すら緩衝し無効化することができるだろう…。」
エキストラ「コロッケ半額ですよ。」
仁総 京介「もういいって!!」
エキストラ「また話をうやむやにして・・・」
裏切りのバインダーユダ「貴様等全員極刑とすっ!!!」
妖異なる効果音「ごとごとごと」
刃崎 死朗「とにかく、仁総の言い方からすると1人犠牲にせねばならんということだな!?」
我大 剛「誰を犠牲にしろって言うんだっ!?」
魔性の情景描写「みんな自分さえ犠牲にならなければ良かった。まるで新学期に委員長を決めるときに味わったようなエゴの渦巻く沈黙が20分と42秒ほど流れた。」
我大 剛「よし、わかった。この際恨みっこなしでジャンケンかカラオケで勝負しようや?それなら、文句ないだろ!?」
ホッチキス女「いいえ!ホッチキスを一人一回ずつやって、失敗した人が犠牲!」
刃崎 死朗「いや・・・。俺が・・・俺が犠牲になるよっ(苦悩)」
ホッチキス女「「っていうかむしろ、あたしをホッチキスでとめてぇぇー!」」
裏切りのバインダーユダ「いくら無い知恵を寄せ集めても無駄無駄無駄ぁぁーっ!」
花子「って言うかぁ、どうやって陸田のところにたどり着けるかかんがえるのが先じゃ無い?」
偽間堂 真子「いったん体外に出て、脳切開なんてのはどうかしら?ああん、考えただけでゾクゾクしちゃう・・・。」
裏切りのバインダーユダ「テメエ等、俺を無視して話しを進めてんじゃねえ!!」
我大 剛「うるせえぞ、このオヤジ!!俺たちゃ大事な話ししてんだよ!!邪魔すんじゃねえ、オラッ!!」
裏切りのバインダーユダ「なんだとこのやろ〜!」
妖異なる効果音「ぶしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーっ」
魔性の情景描写「言い争っている間に、凄まじい溶解力を持つ真子の消化液は我大らの足元にまでせりあがって来ていた。ホッチキス女の履いていたパンプスのヒールが溶け、煙を上げた。」
安達 久美の魂「m(-_-m)~~~~~~~~~~~~」
我大 剛「うわっ!すっぺ〜〜!くせ〜よ!コラ!なに食ってんだ!」
ホッチキス女「ぅあぅあぅあぅあぅあぅあーーーーーー」
仁総 京介「こいつはやばいな・・・。」
妖異なる効果音「バッバッッッババッバッッチン!!!!!!!」
魔性の情景描写「極限状態に耐え切れなくなったホッチキス女は錯乱して真子の口内で工業用ピストル型ホッチキスを乱射した・・・。」
巨大化した間堂 真子「うっ・・・うげぅぇれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!」
仁総 京介「とりあえずホッチキス女を抑えつけるんだ。」
ホッチキス女「あはははは。大きな星が付いたり消えたりしてルーーー」
巨大化した間堂 真子「なぁんちゃって。」
八百屋のおっさん「ヤクー」
刃崎 死朗「なっ なんだ!!」
魔性の情景描写「ホッチキスの針は真子の消化液によって溶かされ、細い槍となって八百屋のおっさんの脳天に突き立てられていた。」
仁総 京介「八百屋のおっさんって誰だよ?」
花子「フッ・・・・遂にきたわね、あの化け物が。八百屋のばばあどもが!」
魔性の情景描写「南南西の方角からなにか得体のしれない怪物が大根をかかげてこちらに向かって走ってきた!」
妖異なる効果音「うひょひょひょ・・・・」
魔性の情景描写「大根だとおもわれたが、良くみると血まみれの足であった」
ホッチキス女「死にさらせえ!!このいかれポンチが!!」
魔性の情景描写「ホッチキス女がそう叫ぶと、爆音がして、ばばあ達は赤い霧となって霧散した。衝撃波である。」
我大 剛「ぐぁっ!み…耳がぁぁ!」
魔性の情景描写「耳どころではないと思うが、我大たちは耳から血を流していた。」
我大 剛「ちくしょー、オレの必殺技をくらえ!」
妖異なる効果音「宇宙の海はでっかい墓場ぁ〜、さすらう戦艦は俺様の棺桶ぇ〜♪」
魔性の情景描写「どこからともなく流れてきたイントロ(セリフ)に続いて我大は歌い始めた…。」
我大 剛「んーふっふんーふふふー」
仁総 京介「何やってんだよ・・・?」
我大 剛「俺の歌をきけええええっ!(ポーズ決め)」
八百屋のおっさん「俺ぁ、何してたんだろ?やべっ、早く仕入れにいかにゃならん!」
魔性の情景描写「その時、既に我大は完全に無視されていた。」
エキストラ「はーいお疲れさまでーす」
妖異なる効果音「フェッ、フェックション・・・・・」
魔性の情景描写「大音響のくしゃみが鳴り響いた・・・。我大の体は宙に放りだされ恐ろしいまでの速度で落下し始めた・・・抵抗で顔が歪み、視界が途切れる・・・。」
妖異なる効果音「ドサッ!!」
魔性の情景描写「我大が地面に激突しての死を覚悟したその瞬間、何者かが彼を抱き留めた・・・「剛・・・だらしが無いぞ・・・」男は呟く・・・我大を受け止めたその腕にはOYGの刺青が・・・・。」
我大 剛「に、兄さん?」
魔性の情景描写「「兄さん?寝ぼけてやがるのか?」男は我大の頭を軽くこずいた・・・。我大が目を凝らすと、見慣れたパッチと腹巻きがそこにあった・・・(4章の間奏参照)。」
我大 剛「お・・・オヤジじゃねえか・・・いったい・・・。」
我大のおやじ「息子よ、強くなったな・・・。」
エキストラ「くしゃみごときでフッ飛ばされてんのに・・(ボソリ)」
我大のおやじ「それは言うなあ!!!」
魔性の情景描写「親父はエキストラに逆水平チョップを喉に入れた!」
エキストラ「ふっ、そんなパワーじゃ僕は倒せない。」
魔性の情景描写「と呟く名も無きエキストラの首は皮一枚で繋がり顔は逆さになりブラブラしている。彼は吹き出る血に塗れ喋っていた。」
八百屋のおっさん「おしい!もうちょいでウワサの首なし騎士になれたんだが」
魔性の情景描写「上を見ると、我大同様にくしゃみで吹き飛ばされ、樹の枝に引っ掛かっている八百屋のおっさんがぶらぶら風に揺らめいていた・・・。」
八百屋のおっさん「さあ、僕のことはかまわず話を進めなさい。」
魔性の情景描写「当然の如く無視される、八百屋のおっさん。」
ホッチキス女「どうでも良いけど助けてーーーー!!」
刃崎 死朗「馬鹿、暴れんじゃねえよ!!落ちちまうだろうが〜〜〜〜!!」
魔性の情景描写「ホチキス女は死朗に振り落とされまいと必死にしがみついている・・・死朗はというとかろうじて真子の鼻毛に左手一本でつかまっている状態である・・手は痙攣をおこし掛けぶるぶると震えていた・・・。」
仁総 京介「ハハハ・・・・なかなか良い眺めですね死朗君!!面白くて腸がよじれかえりますよ!!どれどれ・・・」
妖異なる効果音「ブチッ…。」
魔性の情景描写「京介の腸がよじ切れた。」
仁総 京介「イタイイタイイターイ。(人体標本風)」
エキストラ「エグいね〜。」
ホッチキス女「ホッチキスでくっつける?」
巨大化した間堂 真子「あぁぁぁぁっ。痛いっ痛いわぁー!ちぎれるぅー・・・」
我大 剛「(足元を眺めつつ)こいつ全部聞こえてるのと違うか?腹抱えてわらってるぞ」
八百屋のおっさん「(手を振りながら)さようならー」
刃崎 死朗「ホッチキス女!さっさと俺から手を離すんだぁぁぁ!!!」
妖異なる効果音「パチンパチン!」
ホッチキス女「ひっ酷いですわっ。世界一美人なこのワタクシにそんなことを言うなんてぇぇぇ」
偽間堂 真子「うきぃーっ!私を差し置いて世界一を名乗るなんて・・許しませんわよぉぉぉぉぉっ!!!」
妖異なる効果音「ぶちっ」
エキストラ「どっちもぶさいくじゃぁー」
魔性の情景描写「エキストラはまたしても、二人にツープラトンパワーボムをくらった!」
妖異なる効果音「うぎゃあああああああああああ」
魔性の情景描写「絶叫が響き渡り3人の姿は刃崎の視界から遠ざかっていった・・・世界初、地上100mからのパワーボムである。」
妖異なる効果音「グシャッ」
刃崎 死朗「ふぅ・・・馬鹿め・・・、危なかったぜ、これでやっと身軽になれた。」
八百屋のおっさん「偽モンとはいえ助けようってやつ捕まえてバカってこたぁねぇだろうによ」
ホッチキス女「全くそのとおりよ!!私を見捨てるなんて!!刃崎君のバカ・・ぐすん(;;)」
刃崎 死朗「うるさい!俺は久美一筋なんだよ・・・。ってホチキス女お前は不死身かぁ」
仁総 京介「どうにも僕には下等生物のやることは理解できませんね!」
魔性の情景描写「魔性の力か・・仁総は空中を浮遊している。そして・・・刃崎は本能の赴くままに鼻毛を伝って鼻腔の奥へと進んでいった・・・。」
ホッチキス女「刃崎君には制裁をあたえねば・・・。」
偽間堂 真子「それじゃ私たちも鼻の中行こっか?」
エキストラ「ショッカー軍団万歳!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
魔性の情景描写「ホッチキス女の精神は既に崩壊していた「刃崎・・刃崎」うわごとのように呟き返すと、死朗の後を追うべく巨大化した真子の肉体を鷲掴みにして凄まじいばかりの速度で一気に駆け上っていった。」
人体標本「スゴイ、スゴスギマス、ジソク190、イヤ、ソクテイフノウ!」
ホッチキス女「ケーーー!キョキョキョキョキョキョーーー!」
妖異なる効果音「スパコーーーン!」
刃崎 死朗「うざいんだよ!」
偽間堂 真子「入るか?入るか?入った!ホームラン!!」
魔性の情景描写「さあ、選手がガッツポーズをきめながら、ダイアモンドを回ってホームイン!3点差です!」
エキストラ「ここで、佐々木がブルペンに入り投球練習を開始しました。」
魔性の情景描写「今日は佐々木、肩の調子がいいですね〜。」
妖異なる効果音「ズパー―ン!!!!!!!!」
魔性の情景描写「佐々木はブルペンをはなれ、こちらの方に歩いてきた。いや、あれは佐々木ではない。あれは・・・・・」
校長 陸田「くくく、あまりにも遅いんで、私から来てしまいましたよ。」
安達 久美の魂「あ、あぁぁ…、たす…け……。」
魔性の情景描写「陸田の眼の奥に、顔らしきものを死朗は見た気がした。」
刃崎 死朗「ま、まさか・・・あの野郎・・・。」
妖異なる効果音「ごぼっごぼぼぼ。。。」
仁総 康介(京介の弟)「・・・・・・」
仁総 京介「!!!お、お前はっ・・・」
仁総 康介(京介の弟)「安達久美は・・・安達久美は・・・あ・・いつが・・・陸田が・・・」
魔性の情景描写「その時、康介の身体が音もなく掻き消えた。」
仁総 京介「・・・幻・・・?」
花子「うふふふ・・・」
校長 陸田「花子、ご苦労だったな。」
エキストラ「えっ?なに、どゆこと?」
刃崎 死朗「花子・・・・まさか、お前・・・・」
裏切りのバインダーユダ「さすがだな、花子、昔から変わらんな。」
妖異なる効果音「ザクッ」
魔性の情景描写「鈍い痛みが刃崎の背中から心臓に走った・・・・。目を凝らすと胸から刃先が突き出し、それを伝って血がだらだらとたれている。・・・「まさかそんな・・・」刃崎は自分の身に起こっていることが理解できなかった・・・・。」
花子「あら、そうかしら・・・うふふ。あなただって変わらないわ・・・ユダ。」
刃崎 死朗「ぐは!」
裏切りのバインダーユダ「さあ、こいつをどうする?いけにえにして「奴」をよぶか?」
校長 陸田「物事には順序というものがあるのですよ、ユダ君。まずは・・・(ニヤリ)」
八百屋のおっさん「な、何をする気だ、や、止めろ、止めてくれ、い、いや、ヤメテー!」
仁総 京介「させるか・・・」
魔性の情景描写「京介の右腕から何か小動物のような影が現れた・・・。それは・・・」
裏切りのバインダーユダ「っ・・・!!!!式神っ・・・!!!?」
ホッチキス女「パッチンパッチン、瞼をパッチン、お口をパッチン」
仁総 京介「貴様らのような下賎な輩には我が力を解放し全力を持って叩き潰す!」
エキストラ「やれ〜!!やれ〜!!」
魔性の情景描写「その時傷ついた刃崎の身体を青白い光が包んだ」
仁総 京介「刃崎君、一時僕の力を貸してあげよう、その者達を好きになさい。僕が動くのはそれからだ。」
刃崎 死朗「仁総の力・・・???」
魔性の情景描写「刃崎が立ち上がる。傷も全快しているようだった」
刃崎 死朗「やってやろうじゃないか・・・行くぞっ!!!!!」
魔性の情景描写「刃崎の手に巨大な出刃包丁が握られた。『力』を具現化した物だ。刃崎は包丁を握り締めるとユダに向かって走り出した」
裏切りのバインダーユダ「!!!!!!」
妖異なる効果音「・・・・・グシャリ・・・」
校長 陸田「オマエラごとき虫けらどもが、私に刃向かおうと言うのですか?」
魔性の情景描写「陸田は刃崎の前に立ちふさがった。」
校長 陸田「しかたがない・・・少々痛い目にあわせてあげることにいたしましょうか・・。身の程を知るが良い!!」
魔性の情景描写「陸田の周囲にどす黒い霧が広まる・・・。その霧は渦を巻きながら刃崎に襲い掛かり身体を八つ裂きにしてしまう・・・はずだった。」

刃崎 死朗「りゃああああぁぁぁぁああっ!!!!!」
校長 陸田「馬鹿なっ・・・」
魔性の情景描写「陸田の顔色が急変した。刃崎は黒い霧に切り裂かれるどころか逆に霧を包丁に纏い、猛然と突進してきたのだ」
仁総 京介「ほう、確かににここまで生き残ってきたのは悪運だけではないようだな・・・しかし・・・苦しむのはここからだぞ、刃崎死朗。僕の『力』がお前の『容量』に絶えられるかな・・・」

刃崎 死朗「りゃああああぁぁぁぁああっ!!!!!」
校長 陸田「馬鹿なっ・・・」
魔性の情景描写「陸田の顔色が急変した。刃崎は黒い霧に切り裂かれるどころか逆に霧を包丁に纏い、猛然と突進してきたのだ」
仁総 京介「ほう、確かににここまで生き残ってきたのは悪運だけではないようだな・・・しかし・・・苦しむのはここからだぞ、刃崎死朗。僕の『力』がお前の『容量』に絶えられるかな・・・」
妖異なる効果音「ピシュッ、ビクビクン、ブチブチ、ビチャビチャビチャ。」
ホッチキス女「(まずいわ、このままでは死朗君は久美ちゃんの二の舞になってしまうわ、…だからといってここで私がうごけば計画がだめに…、いえ、それいぜんにバインダー様の命に背くことになってしまう。)」
刃崎 死朗「死にさらせ」
魔性の情景描写「陸田は迫り来る出刃包丁をひらりひらりとかわし続けた。自らは攻めず、獲物の疲労を計るかのように常に刃崎との距離を一定に保ち続けた。」
刃崎 死朗「はあ・・はあ・・・」
仁総 京介「やはり・・・彼には無理だったようだな・・・どうせこのまま放って置いても自滅してしまうだろうが・・・時間がもったいない」
妖異なる効果音「ズガッ」
魔性の情景描写「京介は死崎の『力』を奪い取ろうと、左手をかざし、印を結んだ・・・しかし・・・」
校長 陸田「がっ・・・」
魔性の情景描写「ついに刃崎の攻撃が決まった。陸田の肩口を大きく切り開いたのだ。深緑のどす黒い陸田の血液が飛び散る」
仁総 京介「おや・・・刃崎君が僕の『力』に順応し始めたようだね・・・面白い・・・キャリー以来の楽しい『おもちゃ』になりそうだ・・・」
魔性の情景描写「ビュッ」
安達 久美の魂「刃・・・崎っ!!!!」
魔性の情景描写「片膝を突く陸田・・・しかし苦痛を感じる暇も無く、死朗の一撃が陸田のけビス時を捕らえた・・・。陸田の首が大きくはじけ飛び飛散した。」
刃崎 死朗「アハッはははハッ八ハッ八はははは!!!!」
ホッチキス女「まずい!心を何者かにのっとられているわ!早く追い払わないと・・・・」
魔性の情景描写「ホッチキス女は手際よく除霊の準備を始めた…。」
ホッチキス女「刃崎くん・・・落ち着いてっ!!!本来の自分を思い出すのよっ!!!」
魔性の情景描写「死朗の身体から霧のようなものが抜け出ていき、京介の右腕に吸い込まれた」
仁総 京介「おや・・・惜しいですねぇ、もう少しで刃崎君をおもちゃに出来たと言うのに・・・ホッチキス女・・・相変わらずあなたの腕前には目を見張りますよ・・・」
我大 剛「おい、大丈夫か!」
刃崎 死朗「・・・なんとかな・・・それにしても仁総の野郎・・・まだまだ油断出来ないぜ・・・」
校長 陸田「・・・お・・・のれぇぇぇぇぇ・・・!!!!!」
妖異なる効果音「メキッ」
仁総 京介「往生際が悪いですよ、校長。それにしても中途半端に死んだものですね。消し去って差し上げますよ」
魔性の情景描写「京介の背中に白い小さな影が浮かび上がった」
仁総 京介「校長はご存知ではありませんでしょうが・・・仁総一族の血を引く者に死に化粧を施された魂は式神として死に化粧を施した者に憑くのですよ・・・」
我大 剛「まさか・・・」
仁総 京介「ええ、その通りです・・・我大剛。さぁ、校長を消し去って差し上げなさい。あなたを殺した黒騎士はもういませんが鬱憤晴らしにはなるでしょう・・・キャリー・・・」
妖異なる効果音「ズシン…ズシン…!!」
校長 陸田「オマエラごときにこの私が・・・・・グフッ・・・。」
魔性の情景描写「陸田の体は青白い光に包まれるとともにやがて跡形無く消え去った・・・。」
妖異なる効果音「プシュ〜〜〜〜〜!!」
我大 剛「おい、やばいぜ!!陸田の力が消えた所為か・・・間堂の体が縮みはじめたようだ・・。こんなとこに長いは無用だ・・・。早く逃げ出そうぜ!!」
刃崎 死朗「そうだな・・・にしても随分あっさり過ぎやしないか?校長の野郎。嫌な予感がするぜ」
人体標本「キニシナイ・キニシナイ・・イソグ・イソグ・・・・。」
妖異なる効果音「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・」
魔性の情景描写「間堂の体は縮小し続け、見る間に出口が狭まっていく、全員が脱出したのを見届け、最後尾の京介が体をひねって飛び出そうとした瞬間何者かが足首を掴んだ・・・。」
裏切りのバインダーユダ「あと一歩だったのに・・・貴様の所為で17年間の苦労が水泡ときしてしまった・・・。貴様だけは無傷で生かしておくわけにはいかぬわ。」
魔性の情景描写「とはいえ、ユダの躯は縮みゆく真子の肉に締めあげられ、鈍い音をたてはじめていた。」
仁総 京介「そういう事で・・・それではSAYOUNARA!!」
裏切りのバインダーユダ「えっ、本当に私の出番はもう終わりなのか?・・そんな馬鹿な・・・・ひぎゃぁああああああああああああああ」
魔性の情景描写「ゴキッだのグシャっだの気色悪い音をたてて、ユダは圧死し、消滅した。」
仁総 京介「安達君、聞こえていますか?手足が自由になったでしょう・・・私の声が聞こえている方向に向かって進みなさい。道は見えているはずです・・・。」
魔性の情景描写「数秒後、半透明の久美が現れた」
仁総 京介「成功したようですね・・・安達君。しかしその身体では不便でしょう・・・。それでは皆さん、行きましょうか、陸田の所へ・・・彼なら安達君の身体の再生方法くらいご存知でしょうし、私にも色々お聞きしたいことがありますのでねぇ・・・」
我大 剛「おい待てよ・・・仁総。陸田はたった今・・・」
仁総 京介「ええ・・・確かに本物の陸田は死にました。しかし、それは今まで私達が見てきた、という意味での『本物』です。結局は先程の彼も『複製品』でしかなかったという事です。しかし、先程死んだ陸田には『本物』の精神力が込められていたようです。本体も無事ではないでしょうね・・・」
妖異なる効果音「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・」
ホッチキス女「パチンパチン・・・あれを見なさい・・・間堂の背後を・・・」
魔性の情景描写「倒れている間堂の背後には先程まではなかった黒い階段があった」
我大 剛「来いって事か・・・」
刃崎 死朗「おもしれぇ・・・行ってやろうじゃねぇか!ストレス発散と行くか・・・くくく・・・」
仁総 京介「では行きましょうか・・・安達君、あなたはどうします?」
安達 久美の魂「行くに決まってんだろ!懺悔の時間だよ、陸田・・・」
妖異なる効果音「カツン・・・カツン」
校長 陸田「バカめ!ひっかかったな!!・・・・・ん??」
刃崎竜「成長しねぇなアンタも。忘れたか?前回はしてやられたが・・俺がいたことを後悔するんだなっ!!」
仁総 京介「ここは彼に任せてみましょうか。」
刃崎 死朗「お、親父・・・」
校長 陸田「いくら深手を負ったからといってこの私が貴様のような下等生物にやられ・・・」
魔性の情景描写「陸田の言葉はそこで途切れた。言い切る事が出来なかったのだ。彼の身体は一瞬の内に百・・・いや、千辺以上もの細かな肉片となり空中で散乱したまま消滅した。」
仁総 京介「おや・・・さすが刃崎君の父親ですね。完全に陸田の意識が途切れましたよ。かなりの腕前ですね。(パチパチ:拍手)そう、まるで人間ではないような・・・ふふっ・・・」
我大 剛「って・・・陸田にまだ意識があったこと解ってやがったのかよ、仁総っ!!!」
仁総 京介「ええ・・・僕自身が直接手を下す事もなかろうと思いましてね・・・(面倒だったのでね・・・ふふふ)」
我大 剛「やれやれだな!!これで一件落着か・・。ところで親父・・・一体、17年前に何が有ったんだ?」
我大のおやじ「・・・俺はバインダーだ・・・死朗くん、君の父親もな。」
魔性の情景描写「(我大と刃崎)!!!!!!!!!!!!!!!」
刃崎竜「もっとも、俺はがっちゃんより10年近くも前にバインダーとしての組織は抜けていたがな。しかし、俺らは同期で付き合いも長かったからたまに会ってはバインダー社会の情報を聞いていたんだ」
我大のおやじ「そして俺が最強のバインダーなどと呼ばれ始めた直後・・・17年前の事件が起こった・・・要するにバインダー同士の抗争のようなもんだ・・・。ひでぇもんだったぜ、普通の人間であろうと、ちょっとでも力があればどんどん巻き込んでいきやがった。」
刃崎竜「そこへ現れたのがさっきの陸田とかいう奴だ。まだ陸田なんて名乗ってはいなかったがな。奴は細かく組織化していったバインダーの中でも独立していたバインダーを片っ端から洗脳していきやがった。能力のある人間もな。しかしその時はまだ陸田の力もたいした事はなかったからがっちゃん一人で陸田をバインダーの世界から追い出したのさ・・・そして抗争が終わったときがっちゃん自身もバインダーから抜けた・・・」
我大のおやじ「だが問題はその後だ。奴は抗争のとき操った人間の血筋に『種』を植え付けていた。そして数年前、力を蓄えた陸田はこの世界にやって来て、『種』を植え付けていた一族の一人を実験台として覚醒させた。そいつの兄を襲わせたのさ。完全に自我を無くしているかどうかを調べる為にな・・・そいつの名は・・・」
仁総 京介「・・・仁総康介だ・・・そうだろう?」
人体標本「黒ミサが全てを語る・・・」
我大 剛「どういう事だ・・・?」
妖異なる効果音「がつん」
仁総 京介「弟の康介は、陵潔学園に通っていた。しかし、康介が陵潔学園に通い始めてから二ヶ月もしない頃だった。日に日に康介の様子はおかしくなっていった。そして・・・それから半年後、康介は自我を失い父と母を殺害した後、僕に襲い掛かった。僕はこの手で実の弟を殺したのさ。その時僕は、自らを呪い、戒め、それ以上に康介を操った奴への復讐を誓ったのさ・・・」
刃崎 死朗「それで陵潔学園に転校してきたって訳か・・・」
仁総 京介「ええ・・・しかし、僕が陵潔学園に転校する事も陸田の思惑通りだったのでしょう・・・。多分僕達が今ここにこうしている事さえね・・・」
安達 久美の魂「どうしてだ?」
仁総 京介「その理由は僕にもよくわかりませんがね・・・いわゆる勘というものですよ・・・」
我大 剛「しかし、仁総。お前の一族の血筋自体に種があるとしたらお前も・・・」
仁総 京介「その通りです。僕は今、爆弾を抱えているようなものですからね。いつ覚醒してしまうか僕自身にも解りません・・・。まぁ皆さんもお気をつけ下さい・・・ふふっ・・・」
刃崎 死朗「仁総・・お前これからどうするつもりだ?・・・・街が廃虚と化した今、、復興するには多くの人手が必要となるだろう。・・・・なあ、俺達と一緒に・・・。」
魔性の情景描写「刃崎は仁総に手を差し出そうとしたが、仁総はその手を振り払いそっと笑いを浮かべた。」
刃崎 死朗「・・・何を笑っている?」
エキストラ「ふふふ・・」
人体標本「ふがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
仁総 京介「フフフ・・・そういう事ですか。あなたの目は陸田に良く似ている・・・そし剛、君の口は陸田そのものだ。やはり貴方達とはかたを付けなくてはならないようですね!!・・・陸田の血を継ぐものを僕は許すわけにはいかないのですよ。仁総一族の名に賭けて!!!」
ホッチキス女「はっ、まさか・・・・。」
魔性の情景描写「『やつは子供を消せなかったあまちゃんよ』修行時代にドラゴンから発せられたその言葉がホッチキス女の記憶に鮮明に蘇えった。」
ホッチキス女「そう、あれは20年前の寒い冬だった・・・・」
魔性の情景描写「その低くてクセのある声で、女はゆっくりとした口調で話し始めた・・・。」
ホッチキス女「パチンッ、パチンッ、パチンンンンンンンンンン!!!」
エキストラ「言語がわれわれと違うようですな〜」
八百屋のおっさん「こんにゃくを食わせろ!!!どらえもーーーん!!」
妖異なる効果音「ホンヤクコンニャク〜!」
エキストラ「すげえ、まずそう!!!(TOT)」
人体標本「いや、これが以外とイケる」
魔性の情景描写「ホッチキス女は絶叫し、気絶した!仁総の放った闘気が体をかすめたのだ。」
偽間堂 真子「ボケてる場合じゃないわよ、人体標本。彼(仁総)は本気よ!!」
魔性の情景描写「・・・その時・・・」
仁総 康介(京介の弟)「(・・・兄さん・・・やめてっ・・・やめてくれ・・・)」
仁総 京介「・・・!!!!??康・・・介・・・?康介なのか・・・」
仁総 康介(京介の弟)「(兄・・・さん・・・兄さんの敵は・・・陸田本人のはずじゃないか・・・彼ら・・・は無関係・・・なんだ・・・それを・・・どうして・・・彼、らは・・・彼らは兄さんの仲間なんだろ・・・?何故・・・)」
仁総 京介「黙れ、康介。仲間だと?何をふざけた事を言っているんだ。僕はいつだって孤独だった。昔も・・・今も・・・そして、これからだって・・・。第一、康介、お前は、お前は『仲間』なんてものを信じたばかりに死ぬ事になったのだろう?忘れたわけではあるまい?『あいつ』を・・・お前が『仲間』だと信じて疑わなかった『あいつ』を・・・お前を陥れた『あいつ』をっ・・・!!!!!!!!!!」
仁総 康介(京介の弟)「(僕・・・だって・・・あいつを恨んでないわけじゃない・・・でも、それは僕が選んだ事だっ・・・兄さん、解ってくれ。今はこんな事をしている場合じゃない・・・陸田を倒す事が先決なんだよ・・・り、くた・・・を・・・)」
仁総 京介「僕は・・・あの時誓ったんだよ・・・お前を自らの手で葬ったあの時・・・この世から全ての『魔』を消滅させるとね・・・刃崎達も例外ではない。『魔』に関わったものを全て・・・。そして・・・僕自身さえも・・・」
妖異なる効果音「ピコピコピ〜ン♪」
魔性の情景描写「京介の動きがぴたりと止まった・・・。」
妖異なる効果音「愚意良いイイイイイイイイいん!!(その時、空間がひずみ巨大な影が浮かび上がった・・・)」
校長 陸田「俺は陸田だ・・・・上から読んでも下から読んでもモテモテの陸田さまだ・・・。」
刃崎 死朗「・・・・陸田・・・・おかしい、もう奴は何度も俺達の手によって葬り去られているはずだ・・・・・まさか・・・・・いや、そうとしか考えられねえ!!陸田の正体は仁総だ・・・・・正確に言うと仁総の思念が無意識のうちに生み出した影としか考えられねえ!!」
エキストラ「もう・・だめだ。終わりなんだ。」
我大 剛「いや、あきらめるのはまだ早い。」
八百屋のおっさん「そうだ、諦めるな。まぁ、このニンジンでも食べて元気を出せ!!」
我大 剛「てめぇは引っ込んでろっ!(ゲシッ)」
エキストラ「まーまー、じゃ、半額の大根はどうです?」
仁総 京介「陸田・・・陸田が・・・僕・・・?そんな・・・嘘だ・・・そんな馬鹿なことが・・・」
校長 陸田「いえいえ・・・嘘ではございません。刃崎死朗の言う通りですよ・・・。私はあなたの思念によって作られたのですよ。正確に言えば『現在の』私ですがね・・・。感謝しておりますよ、仁総京介君・・・あなたのその強力な思念によって、私自身の能力も飛躍的に上がりましたからねぇ・・・。そしてこの身体を手に入れる事でこの世界の降り立ち、今こうして素晴らしい遊戯を始められたのですから・・・」
我大 剛「うっ、嘘を言うな!そうやって、俺を動揺させようとしたって、そうは行かないぞ!!」
校長 陸田「ふっ、嘘と思うのはかってですが、真実というものは変えられないものなのですよ。」
刃崎竜「陸田キサマが何度立ちはだかろうと同じ事・・・。」
校長 陸田「フン、今こそ積年の恨み晴らしてくれるわ!!」
魔性の情景描写「校長の指先からひとすじの光条発せられ、それは真一直に我大の左足を射抜いた。」
我大 剛「ぎゃああああああっっっっ!!!!!」
魔性の情景描写「我大の大きな悲鳴で、陸田の鼓膜が破れてしまった!!」
校長 陸田「おぐぅぅっ!!!?おのれ我大ぃぃぃ・・・・・・いってぇ〜〜」
仁総 京介「っ・・・!!!・・・そうか・・・そうだったのか・・・!!!校長、あなたが僕を倒せません。何故ならあなたの身体が傷ついても僕自身には何もダメージはないのですから・・・。しかし、今、僕の身体に傷がつけばどうなるか・・・意志とは怖いものです。無意識のうちに勝敗の方程式を作成してしまう・・・」
妖異なる効果音「つつつ・・・(京介が自分の腕にナイフで傷をつける音)」
魔性の情景描写「京介の腕から血が流れるのと同時に、陸田の腕からも、どす黒い血が流れた・・・」
校長 陸田「・・・・・・」
仁総 京介「僕自身今まであなたの身体が僕の思念から組織されているとは思ってもいませんでした。しかし、僕の思念とあなたの身体の関係が明らかになったとき・・・無意識は自己意識と変わり、それが逆に今まで見られる事の無かった現象・・・僕の身体が傷つけばあなたの身体も傷がつく・・・ということになったのですよ」
ホッチキス女「どういうことよ」
仁総 京介「校長の身体は僕の思念の産物です。つまりシンプルに言ってしまえば分身のようなもの・・・それなら本体である僕が傷つく事により校長の身体が傷つくのはあたりまえの事と言って良いでしょう。反対に校長は僕を傷つけられません。何故なら過去は未来を変えられますが、未来は過去を変えられないからです・・・」
校長 陸田「では自殺でもしてみますか?京介君・・・だが今更君の中の私を消し去ったところでもう遅いのですよ・・・」
仁総 京介「そんな必要はない。」
八百屋のおっさん「ぐはっ!なんだこれは!」
妖異なる効果音「ひょろひょろ〜〜〜ん」
偽間堂 真子「なんだか面白そう!!仁総君を傷つけると傷つくなんて!!」
魔性の情景描写「偽真子はホッチキス女から工業用ピストル型ホッチキスを奪い取ると仁総目掛けて発射した。」
妖異なる効果音「ビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシ!!!!!!!!!」
仁総 京介「何をするんだ、貴様!これは遊びじゃない!」
偽間堂 真子「うふふ・・いいからあんたは黙って死になさいっ!!」
仁総 京介「嫌だ・・・」
エキストラ「ちょっと待った〜!!(謎の男)」
妖異なる効果音「グシャ」
魔性の情景描写「一瞬の隙を突いて我大オヤジの突きが京介に炸裂した・・・。」
我大のおやじ「手間をかけさせんじゃねえ!とっとと死んじまいな!このくそ餓鬼が!!!」
我大 剛「お、おやじ・・・・。」
エキストラ「読んだかね?(通りすがりの親父)」
妖異なる効果音「ミシミシ・・・ミシ・・・・」
魔性の情景描写「おやじの指先が仁総の顔面を鷲掴みにした。図太い指先が仁総の側頭部に食い込んで頭蓋骨が悲鳴を上げ、全身がヒクヒクと痙攣し出した。・・仁総に呼応して巨大陸田も苦悶の表情を浮かべ顔面が歪んでいる。」
我大のおやじ「おやじだと・・・OYGさまを気安く呼ぶんじゃ無い・・・。お前など息子と思ったことは一度も無いわ!!」
刃崎竜「おしゃべりも良いが、がっちゃん、気を抜くなよ。・・・・相手は仁総一族だ・・・止めを刺すまで油断は禁物だ。」
仁総 京介「う・・・ああああっ・・・・・・(なんという馬鹿力だっ・・・くそ・・・これまで・・・か・・・)」
魔性の情景描写「京介の意識が遠ざかろうとする瞬間、我大が二人を殴り飛ばした。自由になった京介の身体が力なく倒れた。」
仁総 京介「っ・・・・・・!!?・・・・・・我・・・大・・・・・・」
刃崎 死朗「おい、大丈夫かぁ、会長さんよ・・・まだまだお楽しみはこれからだぜ・・・こんなとこでおねんねしてもらっちゃ困るんだよ・・・立ちな、お前は陸田を狙え。親父達は俺らでなんとかしてやるからよ・・・」
仁総 京介「・・・何故だ・・・僕は貴様達を・・・殺そうとしたんだぞ・・・それを何故・・・何故なんだ・・・」
刃崎 死朗「何故だと?今まで一緒に死線を潜り抜けてきた俺達は,すでに仲間・・・いやそれ以上の関係じゃなかったのか?」
八百屋のおっさん「今日はブロッコリーが安いヨー!!」
刃崎竜「死朗、・・・どうしても仁総につこうというのか。お前に話しても無駄かもしれないが・・冥土の土産に聞かせてやろう。・・・20年前、バインダーと仁総一族とは対立関係に有ったのだ。死力を尽くして挑んではみたものの・・・仁総一族の力は当時の我々の想像をはるかに超えていた・・・。仁総京介、お前の父親、豪造の手で・・・幾人もの若いバインダーの命が奪われたのだ・・・・。奴はなんの殺戮を楽しむかの様に次々と仲間を殺戮していった・・・。そして奴は・・・・・。」
魔性の情景描写「見る間に刃崎竜の表情は険しさを増し、怒りにその腕は震えていた・・・・。」
刃崎竜「仁総一族に逆らった見せしめと称して・・・・バインダーの家族にまで触手を伸ばしたのだ・・・。血気盛んに仁総に立ち向かったがっちゃんはもちろんのこと、一線を退いたわしの(本当の)家族さえ容赦なく、奴は手にかけていった・・・。」
エキストラ「訂正 @なんの殺戮→なんの躊躇いも無く、殺戮 A2つめの殺戮→惨殺 失礼しました」
刃崎 死朗「まさか!…こいつは…少なくとも、今の仁総はそんな奴じゃねぇ!」
我大のおやじ「・・・そして・・・・バインダーは全滅の危機を迎えた・・・・。崩壊を避けるために残された道は身を潜め、更なるメンバーを集めるしかったのだ・・・危険人物と知りつつも陸田を組織に組み入れたのもその為だ・・・。だが奴は復興したバインダーグループを我が物にせんと狂気に走りだした・・・。」
我大 剛「しかし・・・仁総には関係ねぇだろうっ・・・」
刃崎竜「五月蝿い、黙れ。ここまできたならなんとしてでも仁総の血筋を絶ち同胞達の無念を晴らしてやる・・・ここで大人しく引いておけば命ばかりは見逃してやるぞ?死朗。」
刃崎 死朗「くくっ・・・この期に及んですかした事言ってんじゃねぇよ、下衆が。どうせお前はいつか超えなきゃなんねぇ存在だったのさ。ここまで来て引くような理由はねーんだよっ」
我大 剛「右に同じだな。俺はいつか親父・・・いや、奴よりも強くなろうと決めていた。そのためにはいつか戦う日が来る、それは解っていたんだ。ただ戦う日が思っていたよりも早く来ただけだ。引き下がる理由はねえっ!!!」
安達 久美の魂「あたしが口出すようなことじゃないけどさ、そんな20年も前の事引っ張り出してきてその頃うまれても無かった仁総の事を大の大人二人掛りで襲おうなんて、間違ってるんじゃないか?そりゃ、仁総の親父が家族や仲間を殺した事は許されない事だけど、仁総の親父は死んだんだ。仁総の弟の手によってな・・・仁総京介を殺したってなんの意味もないだろっ」
仁総 京介「・・・もう、もういいんだ・・・君達が関与する事ではない・・・やめてくれ・・・これ以上・・・僕にかかわらないでくれ・・・僕が、僕が死ねば済む事なんだ・・・」
妖異なる効果音「ガキッ」
八百屋のおっさん「ええい、面倒くせえ!!テメエ等の話しを聞いてると頭が痛くなっちまうよ!!仕入れの時間だ。後は任せたそれじゃな!!」
魔性の情景描写「八百屋のおっさんはすたすたと歩き去っていった・・・。」
我大 剛「(京介の肩に手を置き)今更かかわらないでくれは無いだろう。それにお前が死んだら悲しむやつがいると覚えておいてくれ。」
仁総 京介「僕が死んで・・・悲しむ人間・・・?そんな・・・僕はいつだって孤独だった・・・もし僕が死んだって誰も悲しみはしない・・・」
ホッチキス女「あ゛ーーーっ!!さっきから辛気臭いわねぇっ!!!仁総くん、何意地張ってるのっ!今までずっと独りだったからってこれからも独りとは限らないでしょう。現に今仁総くんを心配してくれる」
魔性の情景描写「ご免、途中で切れた。「現に今仁総くんを心配してくれる人がいるじゃないのさっ」です。ああ・・・」
偽間堂 真子「青春ドラマの世界ね。スクールウォーズ見てたわよっ」
妖異なる効果音「君は何を今見つめているの〜♪(青春的代表ソング)」
仁総 京介「・・・・・・君達・・・・・・」
刃崎竜「おい、ホッチキス女っ!!!てめぇバインダーだろうがっ!!!裏切るのか!!!」
ホッチキス女「裏切るなんてそんな・・・私はただ、自分が正しいと思った事をしているだけですわ、教官。パチン、パチン」
エキストラ「韓国産松茸、3800円/kgですよ!!!」
校長 陸田「モノローグ(私は悲しい・・・何故こうなってしまうのか・・客観的な視野を持って、もう少し展開を考えてくれても良いのではないか・・何故私が悪役を演じ続けてきたのか・・・)」
人体標本「ひょ〜るろろろ...」
仁総 京介「モノローグ(最早、悪も善も、存在ないし得ないのです・・・あなたはこの物語の核として充分にその役割を果たしました・・・さあ、あなたにも永遠の安らぎを与えましょう・・・ゆっくりとおやすみなさい・・・・・)」
魔性の情景描写「モノローグ(陸田の姿は京介の心の氷解とともにゆっくりと姿を薄めていき、最期は光の粒子として静かに消えていった・・・。光の粒が姿を消したその後に、あでやかなばかりの黒バラが一輪、異空間に咲き誇っていた・・・・)」
刃崎竜「待て、コラっ!!!俺達はどうなるんだぁっ!!!」
我大のおやじ「そうだっ!!!仁総京介の父親に同胞を殺された恨みも晴らす事も出来ず終わらせるつもりかっ!!!そんなことさせんぞ若造っ!!!」
仁総 京介「じゃあ死ね」
妖異なる効果音「ぐちゃっ」
仁総 京介「悲しい奴ですね、あなた達は。バインダーとしても人間としても失格です。父親としても。それにまだ終わらせるつもりはありません。何故なら先程消えたり陸田は・・・」
魔性の情景描写「京介は自分の視野一面に咲く黒薔薇を忌々しげに握りつぶした。鮮血が滴り落ちたが京介はさほど気にしてはいない。」
我大のおやじ「・・・・・・・・」
我大 剛「フ・・・」
校長 陸田「そんなこと言わないでみんなで狂おう」
魔性の情景描写「レギュラー陣は何故か肩を組み合いマイムマイムを踊り出した」
我大 剛「ハ・・・俺達は何をしていたんだ?」
仁総 京介「死霊no」
八百屋のおっさん「ぎゃはははははは!!!だいこん!だいこん!(オヤジは急に恋のダンスサイトを踊りだした)」
魔性の情景描写「八百屋のおっさんの魔の手が京介に伸びる・・・!」
エキストラ「うきゃきゃきゃ・・・こっちにおいで〜・・・」
仁総 京介「!?・・・何をする、貴様っ・・・その手を離せっ!死にたいのかっ!」
刃崎 死朗「仁総っ!?・・・こ、この親父から何か得たいの知れない邪気を感じるぜ・・・」
八百屋のおっさん「(京介の腕をつかんで)ほ〜ら、お嬢ちゃん・・・おじちゃんと一緒に踊りましょ〜♪」
仁総 京介「何っ!?2x@:.u9」
魔性の情景描写「すいません、今のセリフは「何っ!?ふざけるなよ、貴様っ!僕は男だっ」です」
ホッチキス女「こ・・・この親父まさか・・・只の変態かしら・・・???バインダーには見えないし・・・パチン、パチン・・・」
魔性の情景描写「その時、京介の強烈な正拳突きが八百屋のおっちゃんに決まった。女顔の京介は女性に間違われるたび憤慨していたのだ。その上、相手がなれなれしい変態親父だとすれば京介の行動は頷けるものであった。」
ホッチキス女「難しいこと言うんじゃない!刺すぞ」
魔性の情景描写「こら、俺に話しかけるな。」
妖異なる効果音「ぷちぷちぷち。」
仁総 康介(京介の弟)「ぎゃぁぁぁぁああああああ!ホッチキスでとめられたぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!」
ホッチキス女「牛乳のめよぉぉぉ!!!!」
八百屋のおっさん「ぐはっ!ちきしょ〜、こうなったらそこの女にジャーマンスープレックスだぁ!」
魔性の情景描写「ホッチキス女はおっさんの攻撃を軽くかわし、目と鼻と口と耳をホッチキスでとめまくり、まだ動こうとする手足までも地面に縫い付けた。」
妖異なる効果音「ムチプチ・・・」
偽間堂 真子「大局的に見ればシナリオはまだ終わっていないわね。陸田の種はおそらく一人じゃないわね。蟲毒・・・」
校長 陸田「その通りですよ、偽間堂君。ふふふふふ・・・」
仁総 京介「・・・来たな、陸田・・・しかし、先程の傷でよっぽど力を消費したと見える・・・。恐らく、僕が作り出した姿をもう保ってはいられないはず・・・さあ、陸田。真実の姿を見せなさい。今こそ決着を付けようではありませんかっ!!!」
校長 陸田「ええ・・・よろしいですよ、仁総君・・・」
魔性の情景描写「その瞬間、京介達の目の前に立っていた陸田は派手な爆音とともに消え、そのかわりに何本もの触手を持ったヘドロのような醜い生物が現れたのだった。我大達は言葉を無くし、仁総はその様子を黙って見つめていた。」
我大 剛「こ・・・これが陸田・・・」
校長 陸田「さぁて、早速ですが決戦・・・と行きましょうか、君たち。おっと、その前に問題の『最後の黒魔術』を冥土の土産に見せて差し上げなければ・・・仁総康介の身体と安達久美の魂を材料にしてねぇ・・・」
仁総 京介「何だとっ・・・康介を・・・!?安達くん、逃げたまえっ!!!」
安達 久美の魂「甘いモノは別腹ぁぁあああああああああああ!!!!」
我大 剛「おい、ギャグやってる場合じゃねーぞ!!」
安達 久美の魂「めっちゃマジなんだけど?」
我大のおやじ「じゃあ何?君には胃が2つあるのか?牛の半分だぞ!訴えるぞ!」
校長 陸田「もうコントは終わりにしなさい。安達久美くんの魂は頂いていきますよ。・・・ふふふ、安達久美の魂を仁総康介のからだに移せば・・・」
仁総 京介「待てっ!康介の身体はもうこの世にはないはずだ!僕はこの手で康介を火葬したんだぞ!」
校長 陸田「おや、まぁ・・・君はまだそんな常識にたよっていたのですか、仁総京介君。この私にかかれば、人間の一度滅びた身体を再生するなど簡単な事です。」
ホッチキス女「つ、ついに始まってしまうのね・・・悪夢の儀式が・・・最後の黒魔術が・・・・・・」
校長 陸田「仁総京介君。決戦に向けて一つ賭けをしましょうではありませんか。今から私が黒魔術の為の『器』として、康介君の身体を再生します。京介君、君が勝ったら康介君の身体は差し上げます。もちろん、安達久美の身体も再生して差し上げましょう。・・・しかし、私が勝てば、君の身体を頂きます・・・。どうです?損はしないでしょう?」
仁総 京介「望むところです、陸田・・・仁総一族の末裔として、一人の人間として、死力を尽くして戦い、そして勝利する事を僕はここに誓います・・・!!!」
仁総 康介(京介の弟)「(ああ・・・ついに、ついに、始まってしまうのですね・・・もう、後戻りは出来ないのですね・・・兄さん、僕が出来る事はただ祈るだけ・・・かつて自分の身体だったものさえもういう事を聞いてはくれない・・・兄さん、せめて兄さんだけは・・・)」
ホッチキス女「・・・・・・させない・・・・・そんなこと絶対させない!!」
妖異なる効果音「ガガガガガガガ!!!」
魔性の情景描写「ホチキスマキシマム100連射は、京介の前にいる黒いガクラン、妙に出番の少ない主役「我大」に叩き落とされた。」
我大 剛「タイマンだぜ。おいっ!親父も刃崎のおっさんも手を出すなよ。バインなんとかとか17年前とか一族とかどうでもいい。タイマンやって勝った方が勝ち。これでいいじゃねえか。‥‥仁総‥今ならお前の本心が分かる。頼んだぜ。」
仁総 京介「・・・覚悟しなさい、陸田。康介は必ず助けます。もう誰も死なせはしません。・・・皆さん、下がっていて下さい・・・。」
校長 陸田「くっくくく・・・そうです、そう来なくては面白くありませんよ、仁総くん・・・。さらにこの遊戯を楽しむ為・・・花子、エキストラ、魂を頂きますよ・・・」
花子「嗚呼〜〜〜っっっ!!!?ひ、久々の出番がぁぁぁぁ〜〜〜っっっ!!!」
エキストラ「いいのさ・・・どうせ僕なんて代わりはたくさんあるんだし・・・さようならぁぁぁぁ・・・・・・」
刃崎 死朗「ちっ・・・えげつねぇ真似しやがるぜ、陸田の奴っ・・・!!!それにしても、久美は・・・」
我大 剛「死朗、ここはこらえろ。手を出すんじゃねぇ。これは仁総の戦いだ。それに俺やお前が出て行ったところで仁総の足手まといになるだけだ。ここはあいつに任せるしかねぇ・・・」
仁総 京介「・・・ゆくぞっ!!!!!!!」
校長 陸田「お〜お、来たまえっ!!ひはははっ!!!その前にこれだっ・・・ここに迷える魂どもを捧げるっ!!!現れよ、邪神!!!仁総康介の身体へと宿り、わが僕となるのだぁっ!!!は・・・はははははははっ!!!」
妖異なる効果音「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・」
魔性の情景描写「生け贄の魂と引き替えにいかにも邪悪そうな邪神があっさり現れた!」
我大 剛「ぎゃあああああ」
校長 陸田「さあ!行くんだ邪神よ!虫けらどもを踏み潰せ!」
刃崎 死朗「!!?・・・畜生め・・・!!!我大、気をつけろっ!!!」
魔性の情景描写「仁総康介の姿をした邪神が二人に襲い掛かった」
仁総 康介(京介の弟)「死ね、死ね、死ねぇぇぇぇっっっ!!!!!!!!!は、はははっ、ははははははっっ!!!!!!!!!」
仁総 京介「康介っ!?やめるんだ、康介っ!!!」
仁総 康介(京介の弟)「お前も・・・お前も死ねっ!!!」
妖異なる効果音「ザシュッ」
仁総 京介「うっ・・・」
校長 陸田「もうそいつはお前の弟などではないわっ、仁総京介っ。お前が助かるには康介の身体ごと邪神を殺すしかないのだっ。まぁ、安達久美の魂も崩壊してしまうだろうがなぁっ。はははははっ。殺せ、殺せ、殺しあえっ、ひはははっ」
魔性の情景描写「勝ち誇る陸田の躯から無数に延びた触手の先端には顎がついており、エキストラや花子の血肉を貪り続け本体の「陸田」に「最後の黒魔術」を維持させる為のエネルギーを送っていた」
仁総 京介「あ、あの触手をなんとかすれば…もしかして…。」
ホッチキス女「触手ホッチキスでとめてもいい?!」
仁総 京介「どうぞ留めまくってくださいっ!!」
校長 陸田「何ぃ!?やめろ、そんなことをしたら康介の身体から魂が全て抜けてしまうではないかっ!!」
ホッチキス女「ふふっ、やはりそうだったのね・・・いくわよ陸田っ!大型ホッチキス乱れ十字撃ち百連弾っ!!おらおらおらおらぁっ!!!」
妖異なる効果音「しゅぱっ!ずがががががががががっっ!!!!」
魔性の情景描写「ホッチキス女の放った特注ホッチキス芯が寸分の狂いも無く陸田の触手を吹き飛ばした」
校長 陸田「ぐげっ・・・い、いてぇじゃねぇかぁぁぁぁぁぁっっ!!!この野郎ぉぉぉ〜〜!!!もう黙ってねぇぞ、畜生ってめぇら全員生かしちゃおけねぇっっ!!くたばりやがれぇぇぇっ!!!」
仁総 京介「ふっ、外見ならずも性格にまで本性を表してきたようですね、陸田。自分の姿を鏡で御覧なさい。なんとも滑稽な姿ですよ。まぁ、あなたはもう鏡を見る事さえ出来ませんでしょうがね。何故ならあなたはここで死を迎えるのですから・・・」
校長 陸田「そ、そんなことさせるか・・・邪神よっ!!まだ時間はあるっ!!康介の身体から魂が全て抜け落ちる前にこいつら全員叩き潰せっっ!!!」
仁総 康介(京介の弟)「我与えるは宇宙の始まり、星の終わり、有と無に限り無き有なる物を与えん!」
刃崎 死朗「なんか言いはじめたぞ?限り無き有?どう言う事だ?」
妖異なる効果音「ズズズズズズズ・・・・・・」
仁総 京介「康介・・・結局僕はお前を救えないのか・・・?」
仁総 康介(京介の弟)「(兄さん、もう僕は駄目だ・・・今はもう自分の身体さえ制御出来ない・・・。もう僕は一度死んでいるんだ。兄さん、せめて兄さんの手で僕の身体を・・・)」
仁総 京介「しかし・・・お前を二度もこの手で殺す訳にはいかない・・・」
仁総 康介(京介の弟)「(それでも・・・このまま陸田の玩具にされるよりましだ・・・それに僕は父さんと母さんを殺したんだ・・・自分だけ生きるわけには・・・)」
仁総 京介「駄目だ・・・そんなことは出来ない・・・」
安達 久美の魂「(に・・・仁総・・・あたしも覚悟は出来てるよ・・・)」
魔性の情景描写「京介の迷いをよそに、康介から発せられるプレッシャーはなおも増大しついに空間を侵食し始めた」
校長 陸田「全員射殺!!!ががががががぁぁぁぁっ!!!」
妖異なる効果音「ズキューーーン」
仁総 康介(京介の弟)「(邪神)何だとっ!!!陸田、流れ弾がこっちに・・・(康介:うわぁ〜、こえーよぉぉぉっっっ(泣))」
仁総 京介「こっ・・・康介ぇーーーーーっっ!!!(康介の前に飛び出す)」
魔性の情景描写「康介の身体を庇おうとした京介は陸田の撃った弾丸を雨あられに喰らった・・・」
仁総 京介「ああああああああっっっ!!!」
我大 剛「仁総ーーーーーっ!!?」
刃崎 死朗「何でだ、仁総っ!!そいつはもうお前の弟じゃないんだぞっっ!?」
魔性の情景描写「次の瞬間、京介の頭の上2文字が浮かんでいた『ミス』…次元の歪みが全ての法則を歪ませ始めていた」
妖異なる効果音「ミシミシミシ・・・」
校長 陸田「何・・・仁総京介の精神力によってこの空間が・・・いや、世界そのものが崩壊しようとしている・・・これは・・・このままではこの私までもが・・・」
仁総 康介(京介の弟)「魂が・・・魂が足りない・・・陸田・・・お前の・・・お前の魂をよこせ・・・」
魔性の情景描写「康介の姿をした邪神は陸田に襲い掛かるとヘドロ状の肉を貪り始めた・・・」
校長 陸田「ぐげっ!!!や、やめろ・・・やめてくれ・・・ま、まだ私は死にたくない・・・死にたくないんだ・・・ぐが・・・ぎっ・・・」
仁総 京介「もう・・・嫌だ・・・。康介、お前がこれ以上変わっていくのを僕は・・・僕は見る事が出来ない・・・唯一の肉親であるお前の姿が変わり果てていくのを・・・僕は・・・」
我大 剛「・・・仁総。残酷だがこの事態はお前にしか処置出来ねぇんだ・・・。頼む・・・奴らを、陸田と邪神を・・・いや、お前の弟を・・・」
仁総 京介「うぉおぉォオーーーーー!!!」
妖異なる効果音「京介の渾身の一撃が邪神と化した耕介に‥」
魔性の情景描写「拳が当たった瞬間、京介と邪神と化した康介の力は対消滅を起こし二人の存在がじわじわと無に帰っていく」
我大 剛「みんなー、俺の歌を聞いてくれ。」
仁総 康介(京介の弟)「ありがとう・・・これでもう僕は苦しまずに済むのですね・・・本当にありがとう・・・」
仁総 京介「もう・・・お前とは暮らせないのか・・・?あの頃のように・・・一緒にはいられないのか・・・?康介・・・」
仁総 康介(京介の弟)「・・・僕は兄さんの手によって葬られたあの時、すでに無へと還っていた・・今ここに居る事こそ間違いだったのです・・・」
刃崎 死朗「・・・久美は・・・久美はどうなるんだよ・・・」
安達 久美の魂「・・・言ったろ、刃崎・・・覚悟は出来てたんだ・・・あたしもすでに死んでるんだ・・・ここで消えたって別に何も変わりはしないのさ・・・」
刃崎 死朗「久美・・・」
仁総 京介「おいらに勝ぁ〜てば15ポイントぉ〜♪」
刃崎 死朗「また一緒にお菓子を食べよう・・・康介。」
安達 久美の魂「今話してるのはあたしだろ?おまえはいつも・・・ブツブツブツ・・・」
魔性の情景描写「久美は文句をつらつらと並べた」
安達 久美の魂「だいたいよぉ・・・カーネルサンダースはなにをしたひとかわかんねぇんだよなぁ。なのに何故店前であんなスマイルを浮かべているのでしょうか私にはわからないわ。」
刃崎 死朗「ケンタッキーを作ったらしい。」
安達 久美の魂「謎がひとつとけたわね・・・。」
魔性の情景描写「久美は、勝手に成仏してしまった。」
妖異なる効果音「ぐるるるげちゃややあかずきんちゃちゃあああああよおそおそそそぬるるげちゃげあんどあすかねぷちゅーんさいこうどどどんおしおきだべ」
偽間堂 真子「あ〜あ。逝っちゃたわね!!」
刃崎 死朗「ああ・・・(思いっきり沈んでいる)」
ホッチキス女「元気出して刃崎君!!私がいるじゃないの。パッチン、パッチン!!!!!」
刃崎竜「ん?俺?」
魔性の情景描写「ホチキス女の呼びかけで顔を上げた刃崎死朗は赤く染まったナイフを手首に当てていた。ドクドクと勢いよく動脈血が流れ出している。」
ホッチキス女「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
八百屋のおっさん「うへっ、もったいない。世間じゃどれだけ血が不足してると思ってんだ!献血しろ〜〜!!」
人体標本「(勿体無いから飲んでしまおう・・・)」
仁総 康介(京介の弟)「・・・さようなら・・・」
仁総 京介「こ・・・康介・・・」
魔性の情景描写「康介の身体が霧のように霞み、空へと消えていった・・・」
仁総 京介「康介・・・来世で会う時は必ず幸せになりましょう・・・」
我大 剛「刃崎・・・お前何してんだ、死ぬ気かっ!?」
刃崎 死朗「ふ・・・くだらない事言ってんなよ、我大。これは刃崎家に伝わる弔いなんだよ。俺は戦いの中で勝ち抜いてここまできたんだ・・・今更好きだった奴が死んだくらいで命を捨てる気はないさ・・・」
校長 陸田「畜生、邪神の野郎・・・全然役に立ってねぇじゃねぇか・・・康介の身体は消えちまうし、安達とその他もろもろの魂も消えちまうし、京介達も生きてやがる・・・しかたない・・・ここはいったん引くか・・・」
仁総 京介「逃がしませんよ、陸田・・・」
妖異なる効果音「ぎゅるるるるるるるるるちゅわーーーーーーん」
校長 陸田「「こ、殺される・・・殺される・・・」」
仁総 康介(京介の弟)「覚悟しろおおおおお!!!!(振りかぶって)」
妖異なる効果音「パコーン! ミチュッ!」
校長 陸田「にぎゃああぁぁぁぁぁ!!!」
魔性の情景描写「陸田の顔面に京介(?)の拳がめり込む。そしてその瞬間・・・・すべてが・・・・・」
エキストラ「ナレーター「我大達全員の意識が遠のいていく。全てが光に包まれ、何故かとても心地よい・・・・・・どこからか声が聞こえる・・・・」
妖異なる効果音「限りなくそれ故に限界を与えられざるを得なかった力有ル者・・・人間達よ・・・全ての終わり、全ての始まりを見届けよ・・・限りある無限の可能性を秘めしその心で・・・・そして、お「ぴぃぃぃーーっ」」
魔性の情景描写「薄れゆく意識の中で・・・我大は想う」
我大 剛「・・・留守電・・・?」
妖異なる効果音「用件は39702件です。」
我大 剛「おいおい、なんて数字だよ!!いちいち聞いてられねえや。・・・ああ、良く寝た・・・。」
魔性の情景描写「ボカッ!!!」
我大のおやじ「おい、剛、いつまで寝てんだよ!!とっとと起きねえか!!もうとっくに昼を回っていると言うのに・・・ブツブツ・・・。」
我大 剛「うるせえな〜〜!!昨日、停学食らったばっかでそんな気になれねえよ!!」
我大のおやじ「が〜が〜高いびき立てられちゃこっちが迷惑なんだよ!そんなんだから停学ばっかくらうんだよ!!しゃきっとしろよ、しゃきっと。さっさと着替えて、散歩でもして頭を冷やしてきな。」
魔性の情景描写「剛はおやじに急かされるままに玄関を出るとふらふらと歩き始めた。太陽がやけに眩しかった。・・ふと気がつくと通いなれた通学路に出ていた。昼休みを回ったためか、いつも混雑している大通りでさえ人通りもまばらである。」
我大 剛「ん?」
魔性の情景描写「誰かの声が聞こえたような気がした」
妖異なる効果音「・・・あなた達は勝利したのです。しかし、歪みは現実世界に少なからず影響したようです。過去も未来も捻じ曲がってしまいました。それが良い事なのか悪い事なのかは解りませんが・・・。一つだけ・・・忘れないで下さい。この戦いはまだ序曲。始まりは終結であり終結は始まりでもあるのです。星の狂いまでは修正する事が出来ませんでした。運命の歯車はいまだ回りつづけています。そして、仁総京介・・・彼はこの世に生命を受けた瞬間から戦いつづける運命にあったようです。我大剛・・・あなたたちの使命は・・・」
魔性の情景描写「その瞬間、声は途切れ、我大の周囲は光に包まれた・・・」
我大 剛「(あの声は・・・あの声は俺の中に眠る・・・『奴』・・・か・・・?運命・・・?始まりって・・・終わったんじゃねぇのか・・・?終わったって何がだ・・・?仁総・・・誰だ・・・?)」
魔性の情景描写「そして・・・」
刃崎 死朗「ツーヨーシー!起きてっかー」
魔性の情景描写「我大が部屋の窓を開けると、」
安達 久美の魂「はやくこいよ。西高ともめちゃってさぁ。死朗だけじゃあ危なっかしいの」
我大 剛「ああ、わかったぜ!!直ぐ飛んでいくきから待ってろよ!!」
魔性の情景描写「久美と死朗は凶器を手に、何故か幸せそうである」
エキストラ「(鈴木キャリー)停学中は自宅待機よ!」
仁総 京介「ふふふ。我大君のことですから素直に停学してくれるとは思っていませんでした。しかし校則は生徒会の名誉にかけて守ってもらいましょう。」
我大 剛「というか、てめぇーも授業はどうした、こらっ」
魔性の情景描写「三太も加わった乱闘はどことなく楽しそうである。」
仁総 京介「全く五月蝿い輩ですね!!校長に許可は取ってあります!!。さあ、おとなしく家に戻って頂きましょうか!!」
妖異なる効果音「・・・あなたたちの使命は・・・いつか・・・わかるときがくるでしょう。・・・それまでは、楽しみなさい。・・・生きていくこと・・・日常の素晴らしさ・・・たとえそれは一時のものであったとしても・・・今を精一杯生きることが来るべき試練のとき、きっと力になってくれるはずです」
魔性の情景描写「我大畳店から約1kmはなれた山の上。屋上から覗く1組の眼があった。」
校長 陸田「これからですよ。強くなってくださいね。楽しみにしています。」
魔性の情景描写「この物語はここで一旦の終わりとなる。この後の彼らの運命は誰も知らない。しかし自分の運命を知って生きている者などどこにもいないのだ。運命は待つものではなく作っていくものなのだから。(完)」